拝啓 自民党の皆様へ

 自民党に対する怒りと呆れの感情とわずかばかりの期待とともに書いております。率直な表現ですが、今のままの政治が続くことはこの国の未来に関わる重大な問題ですのでご容赦ください。率直に申しまして、昨今の政治状況を鑑みるに、自民党の印象は「口だけの人たち」という感じです。以下、その理由を述べます。最後まで読んでくださいね。

経済での無策

 「アベノミクスで史上2番目に長い経済成長を達成!」といってますが、実質賃金はさがったままです。経済は好調だ、と言いながら雇用環境は相変わらず劣悪なまま。労働時間は長いくせに給与水準は低いので、消費は冷え込んだままです。まともな経済政策もない上に、やってることは一部企業の優遇と福祉・教育の削減です。あなたたちは一体何がしたいのですか。自民党は選挙の時に「一億総活躍社会の実現」を掲げていましたが、あれは結局何だったんですか?人間が自分の持てる能力を使って「活躍」するには、しっかりとした教育と、安定した生活基盤と、いざという時にはセーフティネットがある、という安心感が必須です。セーフティネットがしっかり機能している社会では、人々は失敗を恐れず、安心して学び、働き、子育てができるわけす。安心をベースに、活力が培われ、創 造性が発揮される土壌ができてくるわけです。

 翻って。自民党が長らくやってきたことは、せっせとセーフティネットを削って、人々を不安の中に落とし込み、競争心をあおってその成果をかすめとることでしょう。教育予算を減らして教育現場を疲弊させ、福祉を削って苛烈な競争の中に放り込み、「あとは自己責任で」と政府の責任を放棄する。そんなことで「一億総活躍」なんてできるわけがないでしょう。自己責任でどうにもならない事態から人間を保護するために政治があるのです。あなたちは何のために政治家をやっているのですか。

外交での無策

 経済とならんで、「口だけ政党」の自民党を象徴するもうひとつのテーマは外交でしょう。安倍晋三を筆頭に、自民党議員はしきりに拉致被害者を取り戻すと言いますが、何か具体的で効果的なアクションをとることをしましたか。「中国やアメリカや韓国に、拉致問題について言及してもらう」といった程度のごく形だけのことしかやってない。遠くから「圧力」と繰り返す前に、直接交渉して譲歩を引き出すくらいの気概を見せて、口だけでないことを示すべきでしょう。北朝鮮と正面きって交渉することもしない代わりに、朝鮮学校への補助金をカットするなど、排外的な情念を利用・煽動することに余念がないのが今の政権です。この社会で暮らすの教育環境の整備を怠るばかりか、朝鮮学校だけを狙い撃ちで教育無償化から排除し、民族的憎悪を煽って政権維持に利用する。やっていることが人間として最低ですし、国際的な常識からも大きく逸脱しています。早急に、弱者を踏みつける政策をやめるべきです。

排外主義勢力との連動

 自民党は明らかに国内の排外主義勢力と連動していますね。弱者を叩き、強者におもねる彼らは高い確率で「安倍政権支持」「自民党支持」を表明しています。彼らは、与党の政策に批判的な人々を「反日勢力」呼ばわりし、この社会で暮らす在日コリアンに対するヘイトスピーチをおこなっています。彼らは「言論の自由」を隠れ蓑にして、まっとうな 社会を求める人々を茶化し、弱者を踏みつけ、声を上げる人々を冷笑しています。彼らの存在が、社会から活力と多様性と人間にとって住みやすい環境を奪っていることは明らかです。自民党が本当に自由で民主的な社会を求めるのなら、こうした排外主義勢力は真っ先に手を切るべき存在のはずです。目先の支持率を回復させるためなら、弱者叩きでも被 害者バッシングでも何でもやる。自民党のそうした著しく品格を欠落させた態度が社会にもたらす致命的な損害にはやく気づくべきです。

地に足つけた政治をしろ

 「民主党よりマシ」としきりに自民党議員は言います。しかし、少なくとも民主党は、人々の生活を無視した政治をしてはいなかったし、身内を優遇して甘い汁を吸わすということもなかったし、メディアを恫喝して報道を萎縮させることもなかったし、対外的な危機を煽って支持率の回復を意図しようとはしなかったし、政権の意向に批判的な官僚を人 事権をチラつかせて黙らせるようなことはしなかった。政権を維持するために公式文書を書き換えたり、意味のわからない閣議決定を繰り返すこともなかった。自民党は野党の失策をあげつらう前に、自分たちの政権が現実にやってきたことを客観的な立場で反省すべきです。

 自民党が民主党時代と比較して吹聴している「経済」というのは、見てのとおりの体たらくです。日本の実質賃金は2,000年頃から低下し続け、非正規雇用に依存する社会が出来上がってしまいました。労働環境は先進国でも最低レベルで少子化には歯止めがかからない。そんな失政が続く中、裁量労働制を押し通したくてデータの捏造まで…自民党はこの7年間で「政権を維持する」以外に一体何をやってきたのですか?「民主党よりマシ」と野党の文句ばかりいうのをやめて、地に足をすえた現実的な政治をすべきです。

もっとマシな人、いないのか。

 このままでは日本は、自己責任の応酬と同調圧力が支配するような、人間として生きることの困難な、硬直した、魅力のない、活力のない社会に成り下がってしまいます。その硬直し、停滞した政治を象徴するのが安倍晋三や麻生太郎といった愚鈍さと冷酷さを体現したリーダーでしょう。彼らを退陣させ、もっと人間らしい言葉を話すことのできる人、人々の生活に共感できる、まっとうな経済政策をとることのできる普通の政治家に替えるべきです。「安倍さん以外にいない」というのなら、自民党に政権を担う能力はないと いうことです。

 森友・加計問題、公文書の改ざん、データ改ざん、数々の暴言。自民党 の皆さんは、しばらく放置しておけばそのうちみんな忘れる、と思ってるでしょうが、私たちは忘れません。私たちは今のデタラメな自民党政治を怒りと呆れの感情でしっかりと見ています。そして自民党は、人間を舐めた政治とは違う、まともで現実的な政治を求める大勢の物言わぬ人々が、私たちの後ろにいることを忘れないように。

敬具

2018年5月11日 全国一斉自民党前抗議実行委員会京都